夜のスマホとの付き合い方|無理のないデジタルデトックス
寝る直前までスマートフォンを使うと、画面の光や通知、動画・SNSなどの内容が気になって、寝る準備や就寝時刻に影響することがあります。一方で、スマートフォンを使う人全員に睡眠障害や「脳疲労」が起きるわけではありません。夜の利用が自分の睡眠を妨げていると感じるときに、無理のない範囲で使い方を調整してみましょう。
夜の画面利用と睡眠
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、就寝前の強い光を避け、寝室にはスマートフォンやタブレットを持ち込まず、できるだけ暗くして眠る工夫を紹介しています。画面からの光だけでなく、通知や内容に注意が向いて寝る時刻が遅くなることもあります。どの要因がどの程度影響するかは、使う時間帯や明るさ、内容、生活状況によって異なります。
就寝前の携帯電話利用を制限した小規模な無作為化試験では、38人を対象に、就寝前30分間の利用を4週間控えるよう案内した群で、睡眠日誌などの指標に変化が報告されました。ただし、参加者数の限られた試験の結果であり、30分が全員に必要な時間だとか、スマートフォンを控えれば必ず睡眠が改善するという意味ではありません。研究はPubMedで概要を確認できます。
自分に合う距離の取り方
「就寝2時間前から完全に使わない」といった一律のルールを守る必要はありません。まず数日、夜のスマホ利用が寝る時刻や眠りにどう関係しているかを振り返り、負担の少ない方法を一つ選んでみます。
- 画面が明るく感じるなら、夜間は明るさを下げ、必要に応じて画面を見ない時間を作る
- 通知が気になるなら、就寝中に必要な連絡は受けられる設定を残しつつ、他の通知を一時的に減らす
- 気づくと長く見てしまうなら、充電場所を手の届きにくい所にする、アプリの時間制限を試す
- 寝室で使う必要があるなら、照明を暗めにし、用事が済んだら画面を閉じる
目覚まし、家族との連絡、健康管理などで端末が必要な人は、目的に合わせて設定してください。アナログ時計への切り替えや寝室の外への移動は、生活上無理がなければ試せる選択肢です。使わない方法が合わない場合は、画面の明るさや通知だけを調整する形でもかまいません。
空いた時間の過ごし方
スマートフォンを置いた時間は、紙の本を読む、軽く体を動かす、音楽を聴く、家族と話すなど、自分が落ち着けることに使えます。何もしない時間を作る必要も、特定の活動で脳を「リセット」する必要もありません。就寝前は、無理に眠ろうとせず、落ち着いて過ごせる方法を選びましょう。
睡眠の悩みが続くとき
端末の使い方を調整しても寝つけない、夜中に何度も目が覚める、日中の眠気や不調で生活に支障が出る状態が続く場合は、スマートフォンだけを原因と決めつけず、医療機関や保健師に相談してください。厚生労働省の睡眠ガイドも、生活習慣や睡眠環境を見直しても睡眠の問題が続く場合は、専門家への相談を案内しています。
夜のデジタルデトックスは、スマートフォンを悪者にしたり、完全に断ったりすることが目的ではありません。睡眠への影響が気になるとき、自分の生活に合う小さな調整から試してみましょう。