ブルーライトカット眼鏡は睡眠に役立つ?光の影響と表示の見方
ブルーライトカット眼鏡をかければ、目の疲れや寝つきが改善するのでしょうか。光の種類や浴びる時間帯が睡眠・覚醒リズムに関わることは知られていますが、眼鏡を使えば睡眠の問題が解決するとは限りません。目の疲れを防ぐ効果にも、はっきりした根拠は示されていません。
就寝前の光は、ブルーライトだけで決まらない
ブルーライトは、可視光線に含まれる短い波長の光です。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、就寝前の照明やスマートフォンなどの強い光が、睡眠・覚醒リズムや入眠に影響することを説明し、寝室を暗くする工夫を勧めています。
夜の光の影響は、波長だけでなく明るさや浴びる時間帯・長さなどにも関係します。また、動画やSNSを見続けて就寝時刻が遅くなることなど、画面の使い方も睡眠に関係し得ます。そのため「ブルーライトだけが不眠の原因」「眼鏡で光をカットすれば体内時計を守れる」とは言い切れません。
眼鏡の睡眠改善効果は保証されない
ブルーライトカット眼鏡は、製品のレンズが特定の波長の光をどの程度通すかを変えるものです。就寝前の光を減らす選択肢の一つにはなりますが、装用すれば眠りやすくなる、睡眠の質が上がると保証できるものではありません。
まずは部屋や画面を必要以上に明るくしない、就寝前の画面使用を控えめにする、寝室の照明を落とすなど、取り入れやすい方法を試せます。眼鏡を使う場合も、見え方や色味、かけ心地が自分に合うかを確認し、睡眠対策として必須と考える必要はありません。
「カット率」は数字だけで比べない
カット率は製品の説明に記された測定規格や対象とする波長範囲、算出方法によって表示が異なることがあります。例えば同一製品でも、規格の違いで異なるカット率を併記するメーカーがあります。数字だけで製品を横並びにせず、何の規格・波長範囲で測った値か、レンズの色味や見え方が用途に合うかを確認してください。
カット率が高いという表示だけから、睡眠改善や眼精疲労の軽減効果を判断することはできません。広告の効能表現ではなく、製品の仕様と自分の使い心地を分けて見ます。
目の疲れには、画面の使い方も見直す
日本眼科学会など6団体は、小児向け眼鏡についての慎重意見の中で、ブルーライトカット眼鏡の眼精疲労軽減や眼障害予防の根拠が乏しい点を指摘しています。米国眼科アカデミーも、画面からの光が目を傷める根拠はなく、ブルーライトカット眼鏡を推奨していません。
画面を長く見て目が疲れるときは、眼鏡のカット率を上げる前に、作業の合間に画面から目を離す、意識してまばたきをする、照明の映り込みや画面の明るさを調整するといった方法があります。痛み、かすみ、乾きなどが続く場合は、眼科に相談してください。
睡眠の不調が続くとき
画面や照明を調整しても、寝つけない、夜中に目が覚める、眠っても休養感がない状態が続き、日中の眠気や疲れで生活に支障が出ている場合は、眼鏡だけで対処せず、かかりつけ医などに相談してください。厚生労働省の睡眠ガイドも、睡眠の不調や休養感の低下、日中の眠気が続いて日常生活に影響する場合の医師への相談を案内しています。
参考情報
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 日本眼科学会など6団体「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」
- 米国眼科アカデミー「Are Blue Light-Blocking Glasses Worth It?」
- JINS「JINS SCREEN」ブルーライトカット率の表示について
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「不眠症」
情報確認日:2026年9月25日